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六代目蔵元 佐藤淳平 私の履歴書

原料米について(楯野川新聞 2013年4月11日号より)

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私が蔵に戻った当初、弊社で使用していた原料米は、「美山錦」「山田錦」「ササニシキ」「雪化粧」などの品種でした。

但し、大吟醸は、タンクで1~2本くらいしか仕込んでおりませんでしたので、実際には、本醸造をメインに、地元の「美山錦」や「ササニシキ」を主力に使用していたと記憶しております。

山形県でオリジナルで開発した酒造好適米「出羽燦々」も、徐々に認知されるようになってきており、弊社としては新しいブランド「楯野川」に使用する原料米は、全て酒造好適米に限定していこうと決めました。 これまで使い慣れていた「美山錦」と、山形県オリジナルの「出羽燦々」、そして大吟醸などの高級酒用として「山田錦」の3種類を使用することに致しました。

アイテムとしては、「吟醸」「中取り純米」「純米吟醸」クラスの特定名称酒に絞り、 1800mlの価格帯で、2,000~3,000円までの商品を中心に構成することにいたしました。

当時はまだ、契約栽培も行っておりませんでしたので、原料米は米問屋さんなどからの仕入れで、精米も委託しておりました。日本酒の原料は「米」と「水」であり、「米」の品質が酒質に大きく影響しますが、酒米の栽培は一般の飯米と比べて難しいことから、収穫量が上がらない、等の問題があります。

そのため、良質な原料米を十分に確保していくためには、長期に渡っての取り組みを、弊社独自に進めないといけない時代になるのではないかと考えておりました。契約栽培の開始については、後日書くことに致しますが、できるだけ地元の酒米を中心にして、山形の風景が思い浮かぶような「地酒」を製造し、販売していきたいという強い思いがございました。

※山形県オリジナル酒造好適米出羽燦々
写真上:玄米 写真下:精米歩合50%

六代目蔵元 佐藤淳平