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六代目蔵元 佐藤淳平 私の履歴書

原料米について(楯野川新聞 2013年5月13日号より)

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弊社では、「出羽燦々」「美山錦」「山田錦」の3種類の酒米を使って純米大吟醸のみを醸しておりますが、「出羽燦々」と「美山錦」においては、8年前から契約栽培を行っております。今回は契約栽培を始めた経緯をお伝えいたします。

日本酒の原材料は、「米」と「米麹」のみでありながら、その唯一の主原料である「米」の手配や調達に関しては、酒造組合や米問屋さんに一任している酒造会社が多いのが現状です。

ご存じの通り、酒米は普通の食べる米(飯米)と違い、稲の背丈が長く、稲穂の重さもある品種で栽培が非常に難しいお米なので、農家さんもあまり進んで酒米を作りたくありません。 そして、何よりも稲作農家の高齢化や跡継ぎ不足など、農業を取り巻く状況は非常に厳しく、先行きの不安な状況にあります。

これでは安定的に良質な酒米を調達できなくなるのではないかと、私自身も非常に危惧しておりました。

そこで、弊社では独自に地元の専業農家さんと契約を結び、「出羽燦々」と「美山錦」を作っていただくことと致しました。

理由は色々ありますが、顔の見える農家さんから良質な酒米を作ってもらい、長期に渡って酒米を確保することが一番大きな理由です。

最初の頃は、農家さんも酒米の栽培がはじめてということで、苦労もありましたが、今では11名の農家さんと契約し、約23町歩の面積を作って頂いております。

「契約栽培の酒米を使用し、そのまま自社精米を行って、酒造りを行う。」

この何でもないようなことが、日本酒造りの原点だと私は考えます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

六代目蔵元 佐藤淳平